朝日

その時間になると窓際に行く
しん、と静まり返った夜が朝になる時間

あの高い木も向かいの家の青い屋根も
一晩で真っ白になった

その真っ白な景色がゆっくりと赤に染まる

あの光がどれくらいの雪を溶かすだろう
もし結晶1つすら溶かせないほどの光だとしても

わたしの冷え固まった心臓は
ゆるゆるとゆっくりと 確実に溶けていく

そばにあなたがいてもいなくても
わたしはあの場所でいつまでも
あの光を眺めていたかった ほんとは

今は目の前のビルに隠れて見えない
見えるのはピンクに染まる隣のビルの壁

今日もあの時間がやってきた
見えないけれど世界は朝になった